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2007年11月号-2 |
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1人医師医療法人は移行が困難に |
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〜厚労省・金森医政局医療法人指導官 |
厚生労働省医政局指導課の金森医療法人指導官は10月27日、2008年度税制改正要望に盛り込んだ医療法人に対する軽減措置について、「現行制度では1人医師医療法人は(改正法上の医療法人に)移行できないか、移行しても課税が生じることになる」と述べ、旧医療法上の医療法人が移行した場合の贈与税が課税されるおそれがあることを懸念した。全国医療法人経営セミナーで解説した。 税制改正要望では2008年度に認可が始まる社会医療法人について、通常の医療法人は30%の法人税率を医療保健業は非課税、収益事業は22%にすることを求めている。また改正医療法上の非営利性を徹底した医療法人に旧法上の医療法人が移行する際の贈与税課税の判定基準の緩和、みなし配当所得課税の繰り延べ措置が必要としている。 持ち分を放棄して持ち分なしの医療法人となった場合、医療法人に利益が帰属するため贈与税が発生する。また、出資額限度法人からでは出資額は払い込み済出資金の範囲を限度に払い戻すことは課税されず、その出資金をさらに基金として拠出すれば拠出額に関して課税されないが、利益剰余金について贈与税の対象となる。 その場合の贈与税の不当減少の有無について出資者などへの特別利益供与の有無や役員などの親族要件などで判定することとされており、具体的には特定医療法人の届け出要件が基準となっている。これについて金森指導官は「特定医療法人の基準でネックとなるのは、診療所は救急告示を受け、なおかつ15床以上でなければならないとしていること。この要件では医療法人の8割を占める1人医師医療法人は移行できない」と現行制度では、1人医師医療法人が移行する際に課税対象になると問題点を挙げた。
■社会医療法人に4疾病5事業を期待
新設する社会医療法人について金森指導官は「医療法改正で国が医療計画の基本計画を定める中で、都道府県医療計画に盛り込む4疾病5事業を決めた。このうち5事業(救急医療等確保事業)を担う医療法人として社会医療法人を作った。公立病院と並んで救急医療等確保事業を実施することになる」と説明した。医療法ではさらに社会医療法人について、地域医療支援病院の開設主体として国や都道府県、市町村と並ぶ形で規定し、都道府県の医療確保について協議する医療対策協議会の構成員としても記載している。金森指導官は「社会医療法人は県や市町村と並び、さらにそれに代わり得る主体として位置付けられている」と、社会医療法人の創設に期待を寄せた。 |
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2007年11月号-1 |
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診療報酬改定の基本方針を了承 |
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〜医療保険部会 |
社会保障審議会医療保険部会は26日、2008年度の診療報酬改定の基本方針について、大筋で了承した。29日に開いた医療部会の結論と合わせて中央社会保険医療協議会に示す予定だ。 基本方針(案)は22日に医療部会で検討した内容と同様。 河内山委員は「地域医療は産科や小児科以外も存続が厳しい。地域医療という最後の砦さえなくなる可能性が出てきた」と述べ、診療報酬全体の底上げの必要性を訴えた。 古橋委員は「小児の専門医療機関では、看護師の疲弊が進んでいる。手があることが解決につながる。小児医療に対する報酬を格段に高める必要がある」と、重点的に小児専門医療機関の評価を高めるよう求めた。 医療部会は基本方針を29日に取りまとめるため、医療部会の結論を待ち、最終的に医療保険部会と医療部会の連名で中医協に対して「診療報酬改定の基本方針」として示すことになる。中医協は基本方針に沿って検討を進める。 |
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