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2011年04月号-2 |
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介護能力の 7 段階評価案、大筋で了承 |
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〜評価基準案検討の小委設置へ |
政府の「実践キャリア・アップ戦略推進チーム」の下に設置された専門タスク・フォースの「介護人材ワーキング・グループ(WG)」は 4 月 22 日の会合で、介護人材の能力を7 段階で評価する際の基本的な考え方などを盛り込んだWG の論点整理案を大筋で了承した。さらに、具体的な評価基準案や実証事業の実施体制を検討するため、5 月中をめどに「能力評価基準等策定小委員会」(仮称)を設置することも決めた。 事務局が示した論点整理案によると、検討されている介護人材の能力評価は、導入研修を終えた程度のレベル1 から「トップ・プロフェッショナル」のレベル7 までの 7 段階。現在ある介護関係資格との関係性については、2 月 18 日の会合で、▽レベル 1 が介護初任者研修修了者相当▽レベル 3、4 が介護福祉士相当▽レベル5、6 が現在検討されている「認定介護福祉士」(仮称)相当―とする案が示されていた。しかし、WG での議論の中で「一部の介護福祉士のレベルは、もう少し低いのではないか」などの意見が上がったことを踏まえ、介護福祉士に相当する段階をレベル2 の一部にも拡大することにした。 WG では、この論点整理を基に、介護人材の能力を評価する際の具体的な基準案の策定作業に入る。5 月中をめどにWG の下に小委員会を設置し、基準案の検討を開始。年度の後半には、策定した基準案が妥当かどうかを判断して改善につなげるため、介護施設・事業所での実証事業を行う予定だ。小委員会は実証事業の実施体制案作りなども担う。
■専門タスク・フォース、5 月中旬にも基本方針取りまとめへ
内閣府の担当者によると、専門タスク・フォースは5 月中旬の会合で、各WG から論点整理の報告を受け、実践キャリア・アップ制度の骨格に当たる基本方針を取りまとめる予定。介護以外の分野にも共通する横断的なレベル設定の在り方や評価の方法、普及に向けた方策などが盛り込まれる見通しだ。当初は昨年度中の取りまとめを目指していたが、東日本大震災を受け、会合の開催が延期されていた。 |
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2011年04月号-1 |
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来年の同時改定 見送り方針を表明 |
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〜日医 |
日本医師会の執行部は 4 月 24 日の定例代議員会で、来年 4 月に予定されている診療報酬と介護報酬の同時改定を見送るべきだとの方針を表明した。原中勝征会長は、まずは被災地の医療復興を優先すべきだと理解を求めた。 診療報酬改定をめぐる議論は、通常だと改定前年の秋ごろから本格化し、年末の予算編成の過程で内閣が改定率を決定する流れ。来年は6 年に一度の介護報酬との同時改定の年に当たる。 中川俊男副会長は代議員会で、東日本大震災の被災地の復興に注力するため、「苦渋の決断だが、次回の診療報酬、介護報酬の同時改定の見送りを提案する」と表明。「大変つらい状況にあることを承知の上で一層の我慢をお願いしており、心から申し訳ない思いでいっぱいだ」とも述べた。 見送りを提案した理由については、「一部で報道されているように、報酬が引き下げられるからではない」と強調。また政府に対し、診療報酬改定の検討材料になる医療経済実態調査や薬価調査の中止、算定が困難など「不合理な診療報酬」の要件見直しなどを申し入れる考えも明らかにした。 代議員会では、同時改定の見送りを盛り込んだ決議案が提示されたが、「改定を行えば被災地の医療再生ができないのか」「ぎりぎりのところで診療している人たちがいる。地元の医療機関に納得してくれとは言えない」などの反対意見が続出。決議案は採決されずに取り下げられた。 しかし、中川副会長は代議員会後の記者会見で、執行部の方針自体は「了承された」との認識を示した。中川氏は「地域医療は既に崩壊している。本当にくたくただという(代議員の)思いが噴出したと思う。意見は対立していない」と説明。一方で、「執行部としてどういう方針を取ったらいいのか、さらに熟慮して行動していきたい」とも述べた。 決議案では、「来年度の診療報酬・介護報酬改定を行わず、被災地の医療再生に全力を尽くす」ことを掲げたが、異論が噴出。そのため、「被災地の医療再生に全力を尽くすと共に、当面、診療報酬・介護報酬改定の議論を行わず、より強い国民皆保険制度の構築に向けて十分な検討をする」と修正された。 しかし、修正後も「削除した方がよい」「これでは政府が粛々と(改定に向けて)議論した場合に、(議論の場に)医師会は出席しないことになる」などの声が上がった。結局、決議案は取り下げられ、具体的な方針は執行部に委ねられた。 |
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