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2016年11月号-2 |
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医療への消費税、29年度税制改正で結論を得るよう要望 |
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〜衆院厚労委で 塩崎厚労相 |
衆議院厚生労働委員会は10月21日、厚労関係の基本施策に対する質疑を行った。塩崎泰久厚労相は医療に係る消費税の課税の在り方について、「平成29年度の税制改正において、抜本的な解決に向けて総合的に検討し結論を得るよう要望している」とした上で、「関係者の議論の状況等も踏まえつつ検討してまいりたい」と述べた。日本維新の会の河野正美委員への答弁。 河野委員は「医療は診療報酬が非課税になっているので、診療報酬の中に入っているという立て付けになっているが、いろんな医療器材(の購入)とか、耐震構造の見直しで病院を建て替えないといけないとか、たくさんある」と指摘。「診療報酬に包括してやっていく消費税制度はなかなか厳しいと思う。消費税(10%への増税)が延期されたのに当たって検討することはないのか」と質問した。
塩崎厚労相の答弁(ほぼ全文) 消費税の医療に係る課税の在り方については、平成29年度の税制改正において、抜本的な解決に向けて総合的に検討し結論を得るよう要望している。引き続き、関係者の議論の状況等も踏まえつつ検討してまいりたいと思う。 診療報酬で賄うということについての意見だが、さまざまな意見がある。仕入れ税額控除を可能とするために課税した上でゼロ税率にするという意見もあるが、消費税の軽減税率については極めて限定的な取り扱いとなっている。仮に行う場合には、国・地方にとって多額の税収減を招くことになり、医療を含む社会保障の必要財源の確保をどうするのかといった種々の課題があるものと承知しているので、引き続き、議論を深めていただきたいと思う。
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2016年11月号-1 |
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消費税率10%超への引き上げの早期検討も提言 |
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〜経済同友会が政策提言を発表 |
経済同友会(小林喜光代表幹事)は10月3日、「未来への希望を拓く税制改革〜4つの視点からのアプローチ〜」と題した政策提言を発表した。消費税率10%への引き上げを2019年10月に着実に実施することに加え、10%超への引き上げの早期検討なども求めている。
■ 10%への引き上げは2019年10月に着実に実施を 政策提言は主に、@財政健全化に資する税制、A経済活性化に資する税制、B公平・公正の実現に資する税制(世代内・世代間の格差是正)、C自助努力支援に資する税制――で構成されている。このうち、@では、消費税率10%への引き上げについて、「社会保障の財源となるはずの消費増税が先送りされたことで、財政健全化の実現が遠のくとともに、日本経済を萎縮させている『将来への不安』が払拭されないままとなったことは、極めて残念である」と指摘。その上で、「高齢化による自然増等で社会保障関係費は毎年1兆円規模で増加する見通しとなっている。政府は2019年10月に消費税率10%へ引き上げる方針を示しているが、今後、増税の先送りを繰り返してはならない」として、「消費税率10%への引き上げは2019年10月に着実に実施する」ことを提言している。 また、10%超への引き上げについて、「税率を10%に引き上げただけでは、財政健全化を達成することは困難である。よって、2020年のさらに先を見据えた改革を実現しようとすれば、社会保障の効率化を進めるとともに、さらなる増収策が必要であるが、その財源は、基幹税として国民が広く薄く負担する消費税が望ましい」と指摘。その上で、▼社会保障に対する国民の将来不安を断ち、予見可能性の確保と安心感の醸成を図るためには、財政の裏づけが必要であり、消費税率の10%超への引き上げを早期に検討する。▼その際は、毎年1%ずつ自動的に引き上げるスキームも排除しない(中小企業の負担への配慮も要検討)――を提言している。
■ 配偶者控除(配偶者特別控除を含む)は廃止を Aの「女性の勤労促進」では、「既婚女性が配偶者控除制度等を理由に勤労調整を行っている可能性が指摘されている」などとして、▼配偶者控除(配偶者特別控除を含む)を廃止する。▼配偶者控除の廃止による約1兆円の税収増財源を子育て世代支援に充てる――ことを提言している。
■ 軽減税率の導入を中止し、給付付き税額控除の導入を このほか、Bの「逆進性対策」では、軽減税率について、▼実施には巨額な財源を必要とする。▼軽減税率対象か否かの線引きが困難で公正さに欠く。▼高所得者層にも軽減税率効果が及ぶ。▼新たな利権の温床となり得る――などが問題点として指摘されているとした上で、「軽減税率の導入を中止し、給付付き税額控除を導入する」ことを提言している。 |
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