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2025年08月号-2 |
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26 年度税制改正へ重点要望申し入れ |
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四病協 |
日本病院会など四病院団体協議会は21 日、2026 年度税制改正の重点要望を厚生労働省に申し入れた。医療機関が負担している控除対象外消費税の問題の「抜本的な解決」など15 項目。四病協は「医療機関の経営破綻を防ぎ、医療体制を維持・確保するためにも、この問題を抜本的に解決する税制上の措置を講ずるべき」だと訴えている。 控除対象外消費税問題の抜本的な解決に向け、診療所では非課税制度のまま診療報酬上の補填を継続しつつ、病院では軽減税率による課税取引に改めることを求めた。控除対象外消費税額は「拡大している」とし、建築費にも言及し、高騰により「高額の消費税が重くのしかかっている」と指摘した。 重点要望は、消費税関係1 項目、事業税関係1 項目、事業承継税制関係3 項目、法人税関係5項目、その他税制関係5 項目。消費税関係以外では、病院用建物に関する減価償却資産の耐用年数を現行の39 年から31 年に短縮することを求めている。そのほか、▽認定医療法人制度の存続と認定期限の緩和▽医療DX への対応と省エネルギー対策のための設備投資の即時償却か税額乗除の選択適用制度創設▽社会医療法人による訪日外国人に対する自費診療要件の見直し−などを盛り込んだ。訪日外国人に対する医療提供は言語や文化などの理由から日本人に比べ費用が掛かるという。一方で社会医療法人や特定医療法人、認定医療法人は自費患者への請求金額は診療報酬と同一の基準で計算することとされており、「医療機関の経営に支障を及ぼすおそれがある」としている。 |
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2025年08月号-1 |
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国立病院機構、24年度は375億円の赤字に転落 |
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厚労省・有識者会議 |
全国で140 病院(4.8 万床)を運営する国立病院機構の2024年度の経常収支が375億円のマイナスとなった。費用の増加が収益の伸びを大きく上回り、47 億円の黒字だった前年度から大幅な赤字に転落。04年度の機構設立以降、最大の赤字を計上した。 24年度は831床の病床を削減するなど病棟運営の効率化を図り、病床利用率は前年度比2.1%増の78.8%に改善。救急車の受け入れは366件増の22万9,896件、手術数は2,663件増の20万6,364 件となった。その結果、入院診療の収益は227億円、外来診療は13億円増えたものの、新型コロナ関連の補助金が廃止され、その分の収益が233億円減った。 経常費用は393億円増加した。基本給の引き上げや物価高騰などの影響で人件費が138億円、材料費が69 億円、水道光熱費が11億円いずれも増えた。経常収支は過去最大となる375億円の赤字を計上し、経常収支率は 96.7%となった。病院の本業に当たる医業収支ベースでは、前年度から赤字幅が83億円拡大し、408億円のマイナスだった。 国立病院機構は7月31日、厚生労働省の「独立行政法人評価に関する有識者会議」に24年度の業績を報告した。それによると、法人全体での患者数は入院で前年度比1.2%増え、外来で1.6%減った。コロナ前の 19 年度と比べると、入院は 7.6%、外来は 11.6%いずれも減っており、コロナ後も患者が戻ってきていない状況が続いている。 24 年度に経常収支が赤字となった病院は前年度から 30 病院増え 117 病院となり、全体の83.6%を占めた。医業収支ベースでは1病院増の121病院(86.4%)が赤字だった。 厳しい経営状況の改善に向けて国立病院機構は、25 年2 月に取りまとめた「経営改善総合プラン」を実行に移していくと説明した。病院個別に設定したKPI(成果指標)を活用した経営状況の見える化や経営改善の取り組みを推進する。 |
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