|
|
2008年06月号-2 |
|
「後期高齢者終末期相談支援料」を凍結 |
|
〜中医協が即日答申 |
舛添要一厚生労働相は25日,中央社会保険医療協議会に,診療報酬の「後期高齢者終末期相談支援料」凍結を諮問した。中医協は即日,答申した。7月1日から適用される。 ただし6月30日までに同支援料に係る文章などの提供を行った場合は算定できるとしている。4月の診療報酬改定で新設したばかりで,算定方式が凍結されるのは初めて。 舛添厚労相は,凍結について「まず議論をしっかり行う。展開をみて国民に周知していく」と国民への理解を求めた。また,「将来,凍結解除を行う場合は,75歳以上となっている対象年齢を拡大したい」としている。厚労省は,凍結期間について,来年度には再開したい考え。 保険料徴収制度に端を発した後期高齢者医療制度問題は,政府・与党が見直しに転じ,「終末期相談料」については,凍結方針が早い段階で打ち出されていた。また,医療現場の一部からも,診療方針をあらかじめ選択しておくとなると,それ以外の必要な医療が受けられないのではと懸念する声があがっていた。 中医協は,凍結を答申した上で,「国民に誤解を生じさせるような状況にある」とし,今後,医療機関における文章提供の状況など実態を調査・検証し,年齢拡大や相談,説明部分の設定などの検討を行う。 凍結処置に伴い,診療報酬の算定方法の医科診療報酬点数表部分に「第2章の規定にかかわらず,区分番号B018に掲げる後期高齢者終末期相談支援料並びに区分番号C005に掲げる在宅患者訪問看護・指導料の注7及び区分番号C005-1-2に掲げる居宅系施設入居者等訪問看護・指導料の注7に規定する加算は,別に厚生労働大臣が定める日から算定できるものとする」などを加えた改正を近く告示する。
■厚労省の「ガイドライン」不十分 25日に行われた日本医師会の定例会見で,中医協委員の中川常任理事は,同支援料について「中医協において,公開で議論を重ね,まとめられたもの。4月に新設したばかりで7月に凍結とは,年金天引きなど高齢者に係る問題と混在してしまったのでは」と述べ,「厚労省の示した終末期におけるガイドラインが不十分だった」と見解を表明した。 |
|
|
2008年06月号-1 |
|
「後期高齢者」保険料,低所得層の負担が重くなる |
|
〜厚労省の従来の説明と食い違い |
厚生労働省は3日,後期高齢者医療制度の施行に伴い国民健康保険から同制度へと移行した1100万人のうち,約7割で保険料負担が軽減するとの推計を発表した。ところが4日に発表された実態調査結果では,69%の世帯で保険料負担が軽減されるが,負担が下がる世帯の割合は高所得層ほど多く,「一般的な傾向として低所得層は負担減となり,高所得層は負担増となる」という厚労省の従来の説明とは食い違っていることがわかった。 所得階層別にみると,年金収入177万円未満の「低所得層」では61%で負担が減少し,同177万〜292万円の「中所得層」では75%,同292万円以上の「高所得層」では78%がそれぞれ減少するという調査結果が出た。 厚労省は,低所得層で保険料負担が上昇する世帯が増えた原因について,「公費を投入して国保保険料を独自に軽減していた都市部の自治体の影響が出た」と説明。都道府県別では,栃木,群馬,徳島の3県で負担が下がる世帯が多く,それぞれ87%とした。一方,負担が下がる割合が低いのは沖縄県(36%),東京都(44%),香川県(57%)などとなった。特に負担が増えるのは東京23区や名古屋市などの都市部。 75歳以上の後期高齢者は全国で約1300万人,このうち約1100万人が国保から移行した。残り200万人は子どもなどの被扶養者だったため保険料を負担していなかったが,10月から新たに後期高齢者医療制度の保険料を負担することになる。 |
|
|
|
|
|