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2016年02月号-2 |
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『報酬改定等による医療費の伸び抑制を通じ、国民負担を軽減』 |
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〜社会関係予算のポイントとして政府が強調 |
政府が12月24日に閣議決定した平成28年度予算案では、社会保障関係費が27年度当初予算と比べ1.4%増の31兆9,738億円と過去最大になった。政府は社会保障関係予算のポイントとして、T.平成28年度診療報酬等、U.「改革工程表」に沿った社会保障制度改革の着実な実行、V.一億総活躍社会の実現に向けた施策、W.消費税増収分等を活用した社会保障の充実・安定化、X.その他各歳出分野における取組(一部再掲)──を提示。Tでは「平成28年度診療報酬改定等による医療費の伸びの抑制を通じ、国民負担(保険料負担、患者負担、税負担)を軽減」と強調している。 T.平成28年度診療報酬等 @ 診療報酬本体 +0.49%(498億円) 各科改定率 医科 +0.56% 歯科 +0.61% 調剤 +0.17% A 薬価等 ?)薬価 ▲1.22%(▲1,247億円) ?)材料価格 ▲0.11%(▲115億円) B 診療報酬・薬価等に関する制度改革事項(▲609億円) ?)医薬品価格の適正化(▲502億円) ?)大型門前薬局等に対する評価の適正化(▲38億円) ?)経腸栄養用製品に係る給付の適正化(▲42億円) ?)その他(湿布薬の1処方当たりの枚数制限等)(▲27億円) V.一億総活躍社会の実現に向けた施策 第3の矢(「介護離職ゼロ」に直結する緊急対策関連施策) <主な施策> @ 介護施設・在宅サービス等の整備(第6期介護保険事業計画(2015〜2017年度)) ・介護施設等の整備(地域医療介護総合確保基金) 634億円(27年度:634億円)(公費)【社会保障・税⼀体改革財源】 −地域密着型(定員29人以下)の介護施設等の整備、用地確保に係る定期借地権設定のための一時金、介護施設の開設準備に必要な費用の補助等 A 介護人材の育成・確保、生産性向上 ・介護従事者の確保(地域医療介護総合確保基金) 90億円(27年度:90億円)(公費)【社会保障・税⼀体改革財源】 −介護人材の参入促進、資質の向上、労働環境の改善等を支援 B 地域包括ケアシステムの推進 −地域包括支援センターの拡充及び総合的な相談機能の強化:454億円(27年度:448億円) |
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2016年02月号-1 |
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『医療に係る消費税「与党の議論を踏まえ検討をしっかりと」』 |
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〜参院予算委で塩崎厚労相 |
参議院予算委員会は1月15日、安倍晋三首相と全閣僚が出席し、平成27年度補正予算案に関する質疑を行った。塩崎泰久厚生労働相は、医療に係る消費税の税制の在り方について「平成29年度税制改正に際して総合的に検討して結論を得ることになっている」とした上で、「与党の議論を踏まえて検討をしっかりとやっていかなければならないと考えている」と述べた。岡田広委員(自民)の質問に対する答弁。 ■ 診療報酬改定による補てんは限界、抜本的解決を ── 自民・岡田委員 岡田委員は安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」に関し、「命と健康が一番大事だ。医療についても費用の抑制と良質の医療を提供することはなかなか難しいが、両方大事だ」と指摘。「そういう中、平成28年度の診療報酬改定では本体で0.49%増のプラス改定となったが、医療機関では消費税負担が経営に影響を及ぼしている。現行のまま消費税10%改定を迎えた場合には、医療機関にとってますます負担が大きくなり、地域の医療提供体制を圧迫することになりかねないのではないか」として、「28年度の与党税制(改正)大綱では、29年度税制改正に際し、総合的に検討し結論を得ることとなった。消費税についての診療報酬改定による補てんは限界があるわけだが、抜本的な解決を図っていくことが大変重要だ。厚労相の考えを伺いたい」と質問した。 これに対し、塩崎厚労相は次のように答弁した。 塩崎厚労相の答弁(ほぼ全文) 2月16日に与党の税制改正大綱がまとまり、診療報酬の問題に絡んで消費税の在り方についての方向性が書かれている。医療はいうまでもなく非課税になっているがゆえに、診療報酬で今日まで手当てしてきたが、診療報酬の対応では限界があるという見方も強くあり、抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずる。その実態の正確な把握をまず行わなければいけないということがあり、税制上の措置については、今の医療保険制度における手当ての在り方の検討などに併せて、医療関係者あるいは保険者の意見にもしっかりと耳を傾けながら、特に高額な設備投資をしている病院が重い負担になっているという指摘があるわけであり、このことについてしっかりと踏まえた上で、平成29年度税制改正に際して総合的に検討して結論を得るということになっているわけで、私どもとしても、その問題意識を踏まえた上で精査をしつつ、与党の議論を踏まえて検討をしっかりとやっていかなければならないと考えている。 |
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