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2008年10月号-2 |
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介護3施設で収支差率が悪化 |
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介護事業経営実態調査 |
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健施設)、介護療養型医療施設(病院)の介護3施設で、収支差率が悪化していることが、厚生労働省の2008年介護事業経営実態調査で分かった。 同調査は「介護サービスの費用についての実態を明らかにし、介護報酬設定の基礎資料を得る」ことを目的に、約2万4300の施設・事業所を対象に実施。今年3月の1か月間の事業の実施状況を調べた。調査結果は、10月3日に開かれた第55回社会保障審議会介護給付費分科会に提出された。厚労省は、同様の調査を05年にも実施している。 調査結果によると、介護3施設の収支差率は、特別養護老人ホームで3.4%(05年13.6%)、老健施設7.3%(同12.3%)、病院3.2%(同3.4%)と、軒並み悪化した=表参照=。3施設とも利用者一人当たりの収入が減少している一方で、利用者一人当たりの支出が増加している。 また、看護・介護職員常勤換算一人当たり給与は、3施設とも上昇。厚労省では「05年の前回調査に比べ収支差率が低下しているサービスについては、人件費の伸びなどを背景に支出が増加している傾向にある」としている。 一方、認知症対応型共同生活介護では、収支差率が9.7%(同7.6%)と2.1ポイント増加しているが、看護・介護職員常勤換算一人当たり給与も12%増加となっている。 |
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2008年10月号-1 |
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来年度介護報酬改定の検討事項示す |
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介護給付費分科会 |
社会保障審議会介護給付費分科会(会長=大森彌・東大名誉教授)は10月3日、「2009年度介護報酬改定の視点(例)」を示した。 分科会は検討事項として、▽介護従事者の人材確保対策▽高齢者が自宅や多様な住まいで療養し、介護を受けられる環境の整備(医療と介護の連携)▽認知症対策の推進▽06年度介護報酬改定で導入されたサービスの検証▽サービスの質の確保、効率化−の5項目を挙げた。 介護従事者の人材確保や離職防止のため、給与水準や地域格差の問題、経営が苦しい小規模事業所への対応などを検討するほか、高齢者が自宅をはじめ多様な住まいで療養し、介護を受けられる環境の整備を進めるため、医療と介護の機能分化や連携について取り上げる。 今年7月に出された「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の報告を受け、今後増加するとみられる認知症高齢者に対するケア充実に向けた介護保険サービスのあり方を考えていくほか、06年度の介護報酬改定で新に導入された「新予防給付」や「地域密着型サービス」の実施状況や効果などを踏まえ、必要に応じて見直しを行うとしている。 このほか、サービスを効率的、効果的に提供するため、書類の簡素化など事務作業の軽減策についても検討する。 |
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