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2012年09月号-2 |
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お泊まりデイ、個室提供は半数に満たず |
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〜厚労省がモデル事業で調査 |
通所介護事業所が提供する宿泊サービス(お泊まりデイ)で、個室が宿泊スペースとして活用されているのは全体の半数に満たないことが、10日までの厚生労働省の調査で分かった。一方で、宿泊時に一人が利用できるスペースについては、7割超の事業者が4畳半以上を確保していることも明らかになった。 調査は昨年度、北海道旭川市や東京都北区、熊本県玉東町など、全国15自治体を通して行われた。対象は、お泊まりデイを提供する20事業所で、その利用者や利用者家族、ケアマネジャーらへの調査も併せて実施された。 宿泊スペースに関する質問では(複数回答)、一つの部屋をパーティションなどで区切ってスペースを確保している事業所が90.0%あった一方で、個室を提供している事業所は45.0%にとどまった。また5.0%の事業所が、ホールを区切るなどしてスペースを確保していた。 宿泊スペースの面積に関する質問では、「10.65平方メートル以上20平方メートル未満」と答えた事業所が30.0%で最も多く、「7.43平方メートル以上10.65平方メートル未満」と「7.43平方メートル未満」との回答は、それぞれ25.0%だった。このほか、「20平方メートル以上30平方メートル未満」と「30平方メートル以上」と回答した事業所が、それぞれ10.0%で、75.0%の事業者が利用者一人の宿泊スペースに7.43平方メートル(4畳半)以上を確保していた。
■8割超の事業所「勤務ローテーションに課題」
勤務ローテーションの課題に関する質問では(複数回答)、「緊急の対応は困難」が50.0%、「夜勤に従事しようとする職員が少ない」が45.0%、「就業規則の改正が困難」が5.0%となった。「特になし」と回答した事業所は15.0%にとどまり、85.0%の事業所で何らかの課題があると感じていることが分かった。経営面の課題に関する質問では(同)、「コストパフォーマンスが悪く事業として成立するか疑問」と答えた事業所が45.0%あった一方で、「利用者数が増加すれば一定の事業モデルが構築できる」とする事業所も40.0%あった。 また、お泊まりデイをケアプランに組み込んだケアマネジャー195人を対象に、今後、このサービスの利用を勧めたいかどうかを尋ねた質問では、「認知症高齢者に勧めたい」が49.2%で最も多く、以下は「すべての利用者に勧めたい」が37.4%、「勧めようとは思わない」が9.7%、無回答が3.6%となり、86.6%のケアマネジャーが、何らかの形でお泊まりデイを活用したいと考えていることが分かった。ただ、このサービスを介護保険の対象にすべきかどうかについては、「すべき」とする回答が58.5%だったのに対し、保険外で対応すべきという回答は40.6%(無回答は1.0%)と、意見が分かれた。 |
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2012年09月号-1 |
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日本再生戦略に沿って福祉・医療貸付拡大へ |
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〜WAMの見直し当初案了承 |
厚生労働省の独立行政法人評価委員会は31日に総会を開き、今年度で5年間の中期目標期間を終える「福祉医療機構」(WAM)の組織・業務全般の「見直し当初案」を了承した。同案によると、来年度以降、福祉・医療貸付事業の融資対象を「日本再生戦略」に沿って拡大させたり、金融業務のガバナンスを強化したりする。 現在、独法の組織や業務は、中期目標期間を終えるごとに見直すことになっている。また政府は、独法を統廃合したり、新しい法人制度に移行させたりする方針で、法整備を進めている。 政府方針ではWAMに対し、一定の自主的な裁量権を持って成果目標の達成を目指す「中期目標達成法人」に2014年度から移行したり、金融業務のガバナンスを強化したりするよう求めている。見直し当初案では、ガバナンス強化のため、金融庁の検査を導入するなどの施策を講じる方針を示した。 また当初案は、福祉貸付事業と医療貸付事業について、医療・福祉分野を新たな成長を目指す重点的分野に位置付けた日本再生戦略に沿って、融資対象を重点的に拡大させるとした。ただ、具体的な拡大の対象などは現段階では決まっておらず、「厚労省が政策的な判断をした上で、福祉医療機構と相談して設定していく」(厚労省・福祉基盤課長)という。 このほか、東日本大震災で被災した医療・介護施設などの復旧・復興資金の優遇措置継続や、融資相談の強化なども見直しの方向性に盛り込んだ。 厚労省は、了承を得た見直し当初案に沿って、来年度のWAM運営に必要な予算を概算要求する。 |
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