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2013年08月号-2
保険診療と保険外診療の併用療養制度などを最優先案件に
〜規制改革会議
 政府の規制改革会議は8月22日、保険診療と保険外診療の併用療養制度や介護・保育事業等における経営主体間のイコールフッティング確立などを「当面の最優先案件」とする案を示した。最優先案件については、「特に緊急性・重要性の高い項目」と位置づけたうえで、「本会議において委員全員で審議のうえ、早期の解決を目指す」としている。
 このうち、保険診療と保険外診療の併用療養制度については、「国内で開発された先進的な医薬品・医療機器を用いた医療技術および海外で使用され国内では未承認の医薬品・医療機器を用いた医療技術などを保険診療と併用しやすくする規制改革を利用者の立場で検討する」と提案している。また、介護・保育事業等における経営主体間のイコールフッティング確立については、「社会福祉法人・株式会社・NPOが同じ土俵でサービスの質を高め合い、提供するための環境づくりを行う」ことを挙げている。
 
■ 革新的医薬品・医療機器の価格算定ルールの報告も──健康・医療WG

 この日は、規制改革会議の「健康・医療ワーキング・グループ(WG)」から、革新的医薬品・医療機器の価格算定ルールについての報告があった。
 それによると、中央社会保険医療協議会(中医協)に対し、@有効な医薬品・医療機器をいち早く国民に届ける。A我が国の医療分野での国際競争力を高める。B保険財政の適正化を図る――の3つの観点から、「バランスの取れた検討が行われることを期待する」と表明。厚生労働省に重点課題として、▼日本における研究開発及び先行上市の促進、▼保険財政の適正化――を提言している。
 保険財政の適正化では、「長期収載品の薬価を引き下げるとともに、薬価の差が患者の医薬品選択の判断材料として、より有効に機能するよう改革すべきである」と指摘。長期収載品の薬価については、「後発医薬品が上市された段階で大幅に引き下げるべきである」と指摘したうえで、「その際、後発医薬品との適切な価格差について、後発医薬品の普及に向けた取組みや保険者機能の強化等と合わせて総合的に検討すべきである」としている。
 また、「高額療養費制度等の適用によって患者が医薬品選択を行う際に薬価が判断材料とならない場合がある」と説明。後発医薬品の普及を進めるため、「医療上、後発医薬品が使用できない場合を除き、患者による後発医薬品の選択を促す措置等を講じるべきである」と求めている。
 最後に、「これらの改革事項が2014年度の価格改定において実現されることを厚労省に要望する。そのため、中医協等における検討状況を見定め、必要に応じ厚労省に報告を求めていきたい」との姿勢も示した。

2013年08月号-1
医療や介護など改革の「プログラム法案」の骨子を閣議決定
〜政府
 政府は8月21日、社会保障制度改革国民会議の審議の結果等を踏まえ、医療や介護などの改革の“工程表”となる「プログラム法案」の骨子(社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」の骨子について)を閣議決定した。政府は今後、同骨子に基づいて社会保障制度改革の全体像や進め方などを明らかにするプログラム法案を策定し、秋の臨時国会の冒頭に提出する方針。

■ 法人間の合併、権利の移転に関する制度見直しなど17年度メドに実施

 医療制度については、「高齢化の進展、高度な医療の普及等による医療費の増大が見込まれる中で、国民皆保険制度を維持する」と強調。必要な改革として、▼病床機能に関する情報を都道府県に報告する制度の創設、▼地域医療ビジョンの策定及びこれを実現するために必要な措置(必要な病床の適切な区分の設定、都道府県の役割の強化等)、▼医療法人間の合併、権利の移転に関する制度等の見直し、▼地域における医師、看護職員等の確保及び勤務環境の改善等に係る施策、▼医療職種の業務範囲及び業務の実施体制の見直し──などを挙げ、「次期医療計画の策定時期が平成30年(2018年)度であることを踏まえ、平成29年度までを目途に順次講ずる。その一環としてこのために必要な法律案を平成26年通常国会に提出することを目指す」としている。
 保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等については、◆低所得者の負担に配慮しつつ行う、70歳から74歳までの者の一部負担金の取扱い及びこれと併せて検討する負担能力に応じた負担の観点からの高額療養費の見直し、◆医療提供施設相互間の機能の分担や在宅療養との公平の観点からの外来・入院に関する給付の見直し──などを挙げ、「平成26年度から平成29年度までを目途に順次講ずる。法改正が必要な措置については、必要な法律案を平成27年通常国会に提出することを目指す」としている。
 介護保険制度については、「地域包括ケアシステムの構築を通じて必要な介護サービスを確保する観点」を強調。▽地域支援事業の見直しと併せた地域の実情に応じた要支援者への支援の見直し、▽一定以上の所得を有する者の利用者負担の見直し、▽低所得の第一号被保険者の介護保険料の負担軽減――などを挙げ、「第6期介護保険事業計画が平成27年(2015年)度から始まることを踏まえ、必要な措置を平成27年度を目途に講ずる。このために必要な法律案を平成26年通常国会に提出することを目指す」としている。
 改革の推進体制については、「2025年を展望しつつ、中長期的に受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を確立するための改革を総合的かつ集中的に推進するために必要な体制を整備する」と明記。
 財源の確保については、「関連する法律の施行により増加する消費税及び地方消費税の収入並びに社会保障給付の重点化・効率化により必要な財源を確保しつつ行う」としている。

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