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2022年08月号-2 |
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宿泊療養施設や休止病床の活用を求める |
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厚労省 |
厚生労働省は8月19日付で、「病床や救急医療のひっ迫回避に向けた宿泊療養施設や休止病床の活用等について」を、都道府県等に宛てて事務連絡した。現下の新型コロナウイルス感染症患者が爆発的に増加する中で、逼迫が生じ始めている医療現場に、健康管理を強化した宿泊療養施設で「重症を脱した患者」への対応を行う―などの取り組みを強く自治体や医療現場に要請した。 事務連絡で厚労省は、@宿泊療養施設の活用、A救急医療の確保のための休止病床の活用、B新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の都道府県境を越えた移送・搬送、CCOVID-19患者受け入れ病床を「確保していない」医療機関での対応協力――について、自治体や医療現場に「さらなる取り組み」を要請した。 まず@では、高齢の感染者が増加していることを踏まえ、適切な療養環境を備えた宿泊療養施設の活用例を示した。
【健康管理を強化した宿泊療養施設などの活用例について】
▽症状が悪化するリスクが一定程度ある患者向けに、医師・看護師の常駐や派遣などにより健康管理を強化した宿泊療養施設を用意 ▽提携医療機関が宿泊療養者に対するオンライン診療、訪問診療などを行う体制を整備した宿泊療養施設を用意 ▽酸素が必要な患者に酸素投与を行える体制を整備した宿泊療養施設を用意 ▽早期退院患者の一時的退院先として宿泊療養施設を活用
【宿泊療養施設に係る人材確保などの体制例について】
▽都道府県ナースセンターによる潜在看護職員の復職支援で、多くの看護職員が宿泊療養施設に就業 ▽医療機関との連携、ネットワーク構築の必要性などに鑑み、都道府県看護協会に宿泊療養施設に係る業務を委託 ▽宿泊療養施設の事務系業務についてはホテルや民間事業者に委託
●COVID-19以外で受診後陽性、可能な限り治療継続を
またAについては、コロナ病床の確保に伴い、通常医療のための病床が不足していると指摘。こうした状況に対応するために、各都道府県では、地域の実情に応じて、管内の医療機関に対し、COVID-19即応病床や、それを確保するために休床としている病床(休止病床)についても可能な限り活用して、積極的かつ効率的に患者を受け入れてもらう協力要請を求めた。 管内の医療機関に対し、▽即応病床と休止病床について、COVID-19であることが確定した患者以外の患者を受け入れることも可能、▽休止病床についてもその他の病床と同様、2020年9月30日までに都道府県が新たにCOVID-19患者のための確保病床として位置づけ、即応病床化した場合には、「新型コロナウイルス感染症患者等入院受入医療機関緊急支援事業」(1床あたり450万円の支援)の対象となり得ること――について改めて周知した。 さらにBでは、感染爆発のなかで「重症者のみならず、軽症から中等症の患者、さらには偶発的にCOVID-19を合併した患者などでも移送・搬送先の選定が困難となる」ケースを想定。広域移送・搬送について、隣県の広域調整担当者との事前の調整・準備を行う厚労省の「重症者治療搬送調整等支援事業」(広域搬送などに対する技術的助言を行う)の活用を検討することを求めた。 Cでは、COVID-19患者受け入れ病床を確保していない医療機関に対して、▽コロナ以外の疾患が原因で受診した患者が陽性と判明した場合に、COVID-19が大きく悪化しない限り、引き続き当該医療機関において可能な限り継続して治療を続けるよう協力する、▽当該医療機関でも、効果的かつ負担の少ない院内感染対策を講じたうえで、可能な限り当該患者に対応する――ことを求めている。
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2022年08月号-1 |
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22年度改定の疑義解釈19を事務連絡 |
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厚労省 |
厚生労働省は7月26日付で、「疑義解釈資料の送付について(その19)」を、地方厚生(支)局と都道府県に宛てて事務連絡した。2022年度診療報酬改定に関し、医科診療報酬点数表関係で9件、訪問看護療養費関係で2件のQ&Aが示されている。 このうち医科では、感染対策向上加算1の施設基準で、「保健所および地域の医師会と連携し、感染対策向上加算2または3の届け出を行った保険医療機関と合同で、少なくとも年4回程度」カンファレンスを行うことについて、「保健所および地域の医師会のいずれかまたは両方が参加していない場合」は、当該カンファレンスに該当しないとされた。ただし、やむを得ない理由により参加できず、後日書面等によりカンファレンスの内容を共有した場合は、該当するとした。また、保健所や地域の医師会が主催するカンファレンスに参加することをもって当該要件を満たすものとはならないと明示した。 カンファレンスの内容については、参加する保健所、地域の医師会、感染対策向上加算2または3の届け出を行った保険医療機関との協議により決定して「差し支えない」とした。ただ、参照情報として2022年度地域保健総合推進事業「院内感染対策ネットワークと保健所の連携推進事業」による「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集について―中間報告―」で示された、▽参加医療機関の感染対策にかかる情報共有、▽参加医療機関が、感染対策で困っていることや工夫していることを発表し、意見交換しながら改善策について検討、▽参加医療機関の相互ラウンドを行い、感染対策の共有や改善について検討――が掲載されている。 同じく感染対策向上加算1の施設基準で、「感染対策向上加算2、感染対策向上加算3または外来感染対策向上加算の届け出を行った他の保険医療機関に対し、必要時に院内感染対策に関する助言を行う体制を有すること」については、「他の保険医療機関から院内感染対策に関する助言を求められた場合に助言を行うことができるよう、連絡先の共有等を行う」とした。そのうえで、前期連携事例集から、▽多剤耐性菌が発生した医療機関に対し、ラウンドや指導を実施、▽新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生しやすいと考えられる医療機関等への事前の臨地指導、▽新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した医療機関に対し、感染拡大防止に関する専門的な臨地指導、助言等を実施、▽薬剤耐性菌対策に関する臨地指導、院内研修会開催――を、参照情報として挙げている。 |
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