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2023年08月号-2 |
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物価高騰が「経営圧迫」介護報酬プラス改定を |
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介人研 |
介護業界の調査・研究事業を行う介護人材政策研究会(介人研)は 17 日、介護分野は物価高騰や新型コロナウイルス対応などで「著しく経営が圧迫されている状況」だとして、厚生労働省老健局に対し、2024 年度介護報酬改定でのプラス改定を求める要望書を提出した。 要望書は概算要求を前に出されたもので、具体的には、▽経営の安定性確保と十分な賃上げを図るのに不足がない介護報酬のプラス改定▽他産業からの人材参入促進(労働移動の円滑化)と人材定着に注力する介護事業者への支援▽介護 DX 推進のための導入支援とさらなる活用支援▽外国人介護人材の活躍を促進するためのさらなる環境整備▽医療・介護連携推進のための多職種連携、介護 DX の推進▽大規模な感染症危機に備えた地域医療介護総合確保基金の有効活用−の 6 点を求めた。 |
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2023年08月号-1 |
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診療報酬改定 6 月 1 日施行、24 年度から |
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厚労省 |
厚生労働省は 2 日、通常 2 年に 1 回行われる診療報酬改定の施行を、これまでの 4 月 1 日から 6 月 1 日に 2 カ月後ろ倒しする案を中央社会保険医療協議会に示した。報酬改定をはさむ 2−5 月ごろに、ベンダーや医療機関に大きな業務負担が生じる「デスマーチ」を解消するのが狙いで、2024 年度から対応する。 「診療報酬改定 DX」の一環。一方、薬価改定はこれまでの 4 月 1 日施行を維持する。厚労省案は了解された。ただ、診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)はこの日の総会で、「(診療報酬と薬価を)2 回に分けて改定を行うことの準備に対する医療現場への負担と、実際に施行された後の影響が見えない。非常に不満を覚える」と述べ、影響の事前検証を求めた。 厚労省のスケジュールによると、診療報酬の改定を 6 月 1 日施行に切り替えた後も、中医協は改定案を従来通り 2 月上旬に答申する。診療報酬改定を官報告示する時期も現在の 3 月上旬を維持し、改定の影響の検証や薬価調査もこれまで通り行う。また、新たなルールの適用を猶予する経過措置の期間は 9 月末までを基本にする。 一方、厚労省によると、ベンダー側はこれまで、4 月 1 日の改定に間に合わせるため、最大で通常の 3 倍程度の体制を敷いてシステム改修やテスト、導入支援などを 2−3 月に行ってきた。 これに対し、6 月 1 日施行にすることで、これらの作業を 1 カ月長い 3−5 月に行えるようになると同省ではみている。 診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、「後ろ倒しで最も大きな恩恵を受けるベンダーが保守費用やリース料を大幅に引き下げるなど、目に見える形で医療機関に還元する必要がある」と述べ、後ろ倒しの効果を検証する仕組み作りを求めた。 厚労省保険局の眞鍋馨医療課長は、検証を行えるかどうかを含め、中医協に改めて対応を提案する考えを示した。 診療報酬改定 DX は、岸田政権が掲げる医療 DX の柱の一つ。 その一環で、国は診療報酬の点数と患者の窓口負担を自動で計算できる全国統一の「共通算定モジュール」を開発・提供し、医療機関の窓口業務の負担軽減を促す。導入効果が高いと考えられる中小規模の病院から提供を始め、徐々に拡大する。機能を追加しながら、26 年度から提供を本格化する方針。 さらに、共通算定モジュールを実装した「標準型電子カルテ」や「標準型レセコン」も提供する。それによって医療機関のシステムの抜本改革を促し、「間接コストを極小化する」としている。 |
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