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2023年11月号-2 |
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オンライン請求年内に始めないと返還、特例加算 |
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厚労省 |
医療分野の DX(デジタルトランスフォーメーション)を促す診療報酬の特例措置が年内で終了するのに先立って、厚生労働省は、特例の加算を算定している医療機関がオンラインでのレセプト請求を年内に始めなければ、算定開始日にさかのぼって報酬の返還が必要になるとして早めの対応を呼び掛けた。 厚労省は、全国の地方厚生局に 11 月 17 日付で事務連絡を出し、医療機関への周知徹底を求めた。 医療 DX を促進するための診療報酬の特例は、2022 年 10 月に新設された「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の期限付き見直しが柱。 「マイナ保険証」を使わない初診の患者に算定する点数を本来の 4 点から 6 点(いずれも月 1回)に引き上げる一方、マイナ保険証を使う初診患者は 2 点に据え置き、格差を広げた。さらに、マイナ保険証を使わない再診患者に算定対象を広げ、2 点の算定を認めた。いずれも 4−12月の時限措置。医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定するには本来、診療報酬をオンラインで請求できる体制の整備が必要だが、オンライン請求を 12 月 31 日までに始めることを医療機関や薬局が届け出ればクリアしていると見なす。 特例が年内で終了するのに先立ち厚労省は、今回出した事務連絡で、特例を届け出たのにオンライン請求をまだ始めていない医療機関があるとして、早期の対応を呼び掛けた。 オンライン請求を 12 月 31 日までに始めなければ、届け出当初から特例の施設基準をクリアしなかったことになり、算定開始日にさかのぼって報酬を返還する必要があるとしている。 |
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2023年11月号-1 |
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一般病院と療養病院の医業利益率が最低水準に |
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福祉医療機構 |
福祉医療機構の「2022 年度の病院の経営状況」(速報値)によると、一般病床の割合が全病床の 50%を超える「一般病院」(1,312 カ所)の医業利益率は前年度(1,281 カ所)から 1.4 ポイント低下し、マイナス 1.2%だった。療養病床 50%超の「療養型病院」(606 カ所)の医業利益率は 1.9%(1.6 ポイント低下)だった。 福祉医療機構では、22 年度のデータは速報値のため、機構が今後、公表する「経営分析参考指標」とは値が異なるとしている。 医業利益率は、本業の医療活動によって医療機関がどれだけ利益を確保できたかの指標。この値が高いほど本業が順調なことを意味する。 一般病院の医業利益率は 20 年度(マイナス 1.1%)以来 2 年ぶりに赤字を示すマイナスの値になった。福祉医療機構によると、一般病院の医業利益率がマイナスになったことは 20 年度と22 年度以外にないという。 22 年度には、療養型病院の医業利益率も大幅に低下し、共に「過去最低の水準」だとしている。物価高騰などの影響とみられる。 一方、「精神科病院」(精神病床 80%以上)の医業利益率は 0.5%だった。20 年度は 0.4%、21 年度は 0.6%と横ばいが続いている。 一般病院では、患者 1 人・1 日当たり収益(単価)が 22 年度に入院と外来の双方で上昇したが、患者数はそろって減少した。また、医業収益に占める経費の割合(経費率)は 20.4%で、前年度から 0.6 ポイント上昇した。医療材料費率は 20.6%(前年度比 0.5 ポイント上昇)だった。 経常収支ベースで赤字だった一般病院の割合は 32.4%(2.3 ポイント上昇)、療養型病院では33.8%(7.8 ポイント上昇)だった。
●コロナ対応病院、補助金除くと 6 割超が赤字
また、新型コロナウイルスの感染者を 2 年連続で受け入れた一般病院(571 カ所)の 22 年度の経常利益率は、補助金を除くとマイナス 2.9%(前年度比 1.6 ポイントダウン)、補助金を含めると 4.7%(1.6 ポイントダウン)だった。 経常収支が赤字だった割合は、補助金を除くと 61.3%(前年度比 6.8 ポイント上昇)、補助金を含めても 22.8%(2.1 ポイント上昇)と 2 割超を占めた。 福祉医療機構では、入院収益の単価が上昇したものの、それ以上に費用が増えたとしている。 |
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