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2013年06月号-2 |
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「機能強化型在支診・在支病」の基準を厳格化か |
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〜中医協総会で厚労省 |
在宅医療を含めた機能分化・連携が課題となる中、厚生労働省は6月26日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・学習院大法学部教授)総会で「在宅医療(その3)」という資料を示し、在宅医療に関する議論を急いでいる。 資料の中で厚労省は、2012年度の診療報酬改定で創設した「機能強化型在支診・在支病」の実績が乏しいことや、機能強化型でなくても一定の実績ある在支診・在支病が存在するとのデータなどを紹介したうえで、次期改定の方向性(課題と論点)を提示。「機能強化型在支診/病においても実績が乏しい場合に医療機関間の連携のあり方についてどのように考えるか」など、次期改定で「機能強化型在支診・在支病」の基準を厳格化する方針を示唆している。 |
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2013年06月号-1 |
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医療提供体制、「在宅医療と介護の連携」が次の焦点 |
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〜政府の「社会保障制度改革国民会議」が第2ステージへ |
“川上”の議論を終えて、“川下”へ──。医療、介護、年金、少子化の4分野の改革について昨年11月から審議している政府の「社会保障制度改革国民会議」(国民会議、会長=清家篤・慶應義塾長)は6月10日、第14回会合を開き、2巡目の議論に入った。国民会議の会長代理を務め、厚生労働省の社会保障審議会(社保審)医療保険部会の部会長として両会議の橋渡し役をしている遠藤久夫氏(学習院大経済学部長)は、医療提供体制の課題として「在宅医療と介護の連携」を新たに提示、社保審の特別部会などを設置して集中的に議論する必要性を説いた。これに他の委員はおおむね同意した。 この日は、医療・介護分野について4月22日にまとめた「議論の整理案」を踏まえ、事務局から「さらに議論すべき事項@」として市町村国保の広域化や医療機能の分化・連携など積み残しの論点が示され、各委員が意見を述べた。
■ 「診療報酬で誘導すべき」と遠藤氏が改めて強調
医療機能の分化や消費増税分の使い道として焦点になっている「診療報酬か補助金か」という問題については大きな議論はなかった。同会議で「補助金的活用」を主張している慶應義塾大商学部教授の権丈善一氏は「医療提供体制の改革が必要だ」との発言を何度も繰り返したが、「補助金的活用」の必要性には踏み込まなかった。 一方、遠藤久夫氏は診療報酬による誘導の必要性を改めて主張、「7対1看護がやたら多い『ワイングラス型』をなだらかにするためには診療報酬で誘導すべきで、都道府県には権限がない。医療機能を変化させる最も有効な方法は診療報酬であり、7対1を都道府県の力でガラッと変えることはできない」と述べた。
■ 「ワイングラス型」を変えることは合意
約1時間半にわたる意見交換を終えて座長の清家氏は「国民健康保険制度の持続可能性が危機に瀕していることは共通認識で、やはり市町村国保の広域化が必要であることについては皆様方の認識の一致があった。医療提供体制では、(7対1病床が多い)『ワイングラス型』からもう少しシームレスな形へ、ということについて一致した」などとまとめた。 ■ 「在宅医療の強化が大変重要」──田村厚労相
最後に、田村憲久・厚生労働相は「医療について深掘りの議論をしていただいた。まさに在宅医療というものをどう強化していくかが大変重要であり、それと診療報酬がどのような絡みがあるのかという議論にもなっていく。介護と医療をどのような形で連携していくのか。これがあってはじめて医療・介護分野は完結すると思っている」と述べた。 |
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