|
|
2024年10月号-2 |
|
265 市区町村で診療所なくなる可能性、40 年までに |
|
厚労省・検討会 |
厚生労働省は 17 日、診療所の医師が 75 歳で引退して承継されず、新規開業がないと仮定した場合、診療所がない市区町村は 2022 年の 77 カ所から 40 年までに 265 カ所増え、342 カ所になる見込みだとする集計結果を公表した。医師が 80 歳で引退すると仮定した場合、診療所がない市区町村は 167 カ所増の 244 カ所になるとしている。 厚労省は、「医師・歯科医師・薬剤師統計」(22 年)と「医療施設調査」(20 年)から、22 年の市区町村別の診療所数(実績)と 40 年の見込み数を集計し、「新たな地域医療構想等に関する検討会」にこの日結果を報告した。医師が 75 歳で引退すると仮定した場合、40 年までに診療所がなくなる可能性がある265市区町村の人口規模別の内訳は、「0.5万人未満」が109カ所と、全体の 4 割超を占めた。以下は「0.5 万−1 万人未満」97 カ所(全体の 36.6%)、「1 万−2 万人未満」54 カ所(20.4%)、「2 万人以上」5 カ所(1.9%)。また、診療所が 1 つしかない市区町村は、22 年の 175 カ所から 40 年までに 74 カ所増え、249 カ所になる。これに対し、診療所の数が「50−99」の市区町村は 225 カ所から 89 カ所減り、136 カ所になる。 厚労省は、全国の一般診療所の 63%が 20 年 10 月時点で「内科」を標榜していたとするデータも示した。全体に占める割合が 2 番目に高い「小児科」は 18%だった。また、「耳鼻咽喉科」と「眼科」を標榜する診療所がない市区町村が全国にそれぞれ 810 カ所、677 カ所あった。 検討会はこの日、40 年ごろを想定して都道府県が作る新たな地域医療構想での外来医療の取り扱いを議論した。河本滋史構成員の代理で参加した松本真人参考人(健康保険組合連合会理事)は、「長期的には、診療所の集約化・大規模化を視野に入れて効率的な外来医療の提供体制を構築するべきだ」と述べた。
|
|
|
2024年10月号-1 |
|
介護医療院「単独で黒字」が 169 施設の 44% |
|
日本介護医療院協会 |
日本介護医療院協会は 10 日、全国の 169 の介護医療院のうち 43.8%が 6 月現在、単独で黒字だったとする調査結果を公表した。介護医療院の類型別では、「T型」は 125 施設の 44.8%、「U型」は 42 施設の 42.9%が単独で黒字だった。調査結果は、協会の鈴木龍太会長が日本慢性期医療協会の記者会見に参加して明らかにした。経営の状況の質問に単独で黒字と答えたU型の割合が 1 年前の調査より特に高く、鈴木氏は、介護報酬の 4 月の改定で経営状態が改善した可能性を指摘した。 調査は、協会の非会員を含め 2023 年 12 月時点で開設されていた 770 の介護医療院全てを対象に実施し、介護医療院の経営状況や人材が充足しているかなどを尋ね、174 施設から回答があった(回答率 22.6%)。経営状況の質問には 169 施設が回答し、「単独では黒字」が 74 施設(169 施設の 43.8%)、病院に併設されていて単独での経営状況が分からないなど「どちらともいえない」が 65 施設(38.5%)、「単独では赤字」は 29 施設(17.2%)などだった。 介護医療院の類型別では、重篤な身体疾患の高齢者らを受け入れる「T型」は 125 施設のうち 56 施設(125 施設の 44.8%)が「単独では黒字」と答え、ほかは「どちらともいえない」が50 施設(40%)、「単独では赤字」が 18 施設(14.4%)などだった。これに対し、容体が比較的安定した高齢者らを受け入れる「U型」の 42 施設は、「単独では黒字」が 18 施設(42 施設の42.9%)、「どちらともいえない」が 14 施設(33.3%) 、「単独では赤字」が 10 施設(23.8%)。 療養床の稼働率や入所者の平均要介護度を黒字と赤字の施設で比べると、T型での稼働率は黒字(56 施設)が 95.2%、赤字(18 施設)が 88.1%。平均要介護度は黒字が 4.29、赤字が4.20 だった。U型の稼働率は黒字(18 施設)が 93.7%、赤字(10 施設)が 86.8%、平均要介護度は黒字が 4.04、赤字が 3.86。 I 型では、黒字と赤字施設の稼働率に 7.1 ポイントの差があったが入所者の要介護度には大きな差がなく、鈴木氏は「T型は稼働率を上げることが一番大切だ」と指摘した。
●苦労すること「介護職確保」8 割
調査では、介護職が充足しているかどうかも質問し、「充足している」は 173 施設のうち 21施設(12.1%)にとどまった。ほかは「ギリギリ」が 81 施設(46.8%)、「不足している」は 71施設(41.0%)。166 施設のうち、外国人を採用しているのは 80 施設(48.2%)で、それら以外に、採用する予定があるか採用を考えている介護医療院が 17 施設(10.2%)あった。 現場で苦労していることの質問では(複数回答可)、173 施設のうち 141 施設(81.5%)が「介護職確保」を挙げ、最多。ほかは、「看護師確保」が 110 施設(63.6%)、「抑制ゼロ対策」が 90 施設(52.0%)などの順だった。 |
|
|
|
|
|