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2011年09月号-2 |
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在宅医療の拠点整備などに238 億円を要望 |
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〜特別枠で厚労省医政局 |
厚生労働省が9 月28 日に発表した来年度予算の概算要求で、医療提供体制関連の政策を担当する医政局は今年度当初予算から154 億7400 万円増の1850 億7900万円を要求・要望額とした。このうち、国内の経済社会を再生するための「日本再生重点化措置」(特別枠)では、在宅医療の拠点となる基盤の整備や人材育成などに加え、「臨床研究中核病院」(仮称)の整備を含むライフ・イノベーションの推進などに計238 億7100 万円を要望する。 特別枠では、在宅医療の拠点となる基盤整備を目的とした医療機関などの連携推進に31 億4700 万円を要望。また、在宅チーム医療を担う人材育成のための研修に8 億6700 万円を盛り込んだほか、▽在宅医療での看護業務の安全性検証事業に9200万円▽がんや精神疾患など在宅患者の個別の疾患に応じた在宅医療を推進するための研究事業に16 億1000 万円▽各都道府県での口腔保健支援センターの整備に4億5700 万円―を求める。 ライフ・イノベーションの推進については、国際水準の臨床研究などを行う臨床研究中核病院の整備(10 か所)と機能強化に89 億1200 万円(うち15 億円は厚労科学研究費補助金)を要望。また、国立高度専門医療研究センターの連携によるバイオバンクや大規模コホート研究推進に78 億8200 万円、国内外の大学などが作成・保存しているヒト幹細胞の情報を一元化したデータベースの構築に4 億4400万円などを求める。 このほか、外部保存される診療データを連携する医療機関が相互に閲覧でき、災害時にはバックアップとしても利用できる医療情報連携・保全基盤の整備に19 億6100 万円を要望する。 一方、特別枠以外の新規事業では、チーム医療の全国の医療現場への普及・定着に2 億9000 万円を要求(うち9200 万円は特別枠)。ライフ・イノベーション関連では、日本主導のグローバル臨床研究の実施体制の整備に5 億9200 万円なども求める。このほか、医療の質の向上に資する無過失補償制度の検討(1200 万円)や、遺体を用いて高度な手術手技を修得させるための研修体制の整備(8200 万円)なども盛り込んだ。 |
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2011年09月号-1 |
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医療体制充実に介護報酬上の評価を |
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〜介護関係団体懇談会で要望 |
厚生労働省は9 月12 日、「介護保険サービスに関する関係団体懇談会」の2 回目の会合を開き、前回に引き続き来年度の介護・診療報酬の同時改定に向けて介護関係団体から意見を聴いた。各団体からは医療提供体制の充実と、それに見合った介護報酬上の評価を求める声などが上がった。 全国老人保健施設協会の山田和彦会長は、老健でのリハビリテーションの提供体制について、利用者100 人に対して理学療法士などのリハビリ専門職を3 人配置する新たな人員基準を創設し、それに見合った介護報酬を設定するよう主張した。また、利用者が退所した後、1 か月以上の在宅生活ができると見込まれる場合に算定できる在宅復帰支援機能加算については、「現場からすると、もう少し(要件を)緩やかにしてほしい」と述べ、要介護3 以上の人の場合は、1 週間程度の在宅復帰で加算対象とするよう求めた。 全国老人福祉施設協議会の桝田和平介護保険事業経営委員長は、50 床の特別養護老人ホーム(特養)が理学療法士などを1 人配置して個別機能訓練加算(1 日12単位)を算定しても、収入は年200 万円程度にとどまると指摘。「必要な人件費の半分にもならない」とした上で、「基礎的な収入が得られる加算を検討してほしい」と述べた。 このほか、全国個室ユニット型施設推進協議会の諸隈正剛副会長は「(利用者が)医師や看護師、介護をする人たちに見守られながら死んでいくという体制が必要」と述べ、特養の医療サービスのさらなる充実を主張。全国社会福祉施設経営者協議会の廣江研介護保険事業経営委員長は、特養で夜間に訪問看護サービスを利用できるようにしてほしいと述べた。 前回と今回の会合で出された意見について厚労省は、「事務局で整理し、社会保障審議会介護給付費分科会に報告する」(老人保健課の宇都宮啓課長)方針だ。 |
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