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2024年12月号-2 |
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新たな地域医療構想、取りまとめ案を大筋了承 |
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厚労省・検討会 |
厚生労働省は 6 日、新たな地域医療構想の運用を 2027 年度から順次始める内容の取りまとめ案を省内の検討会に示し、大筋で了承された。従来の病床機能に加え、「急性期拠点機能」など 医療機関機能の毎年の報告を新たに求め、それに着目した連携・再編・集約化の協議を地域で28 年度までに進める。 厚労省の取りまとめ案では、新たな地域医療構想を医療計画の上位概念と位置付け、医療計画を地域医療構想の実行計画と整理した。新たな地域医療構想は都道府県が 26 年度に作り、27年度から順次運用を始める。そのため、現在の地域医療構想は 26 年度も継続する。それに向けて、国は新たな地域医療構想の策定・推進のガイドラインを 25 年度に策定する。 都道府県は、医療機関から報告されたデータなどを踏まえ、「かかりつけ医機能」や在宅・介護連携・人材確保などを含む医療提供体制全体の方向性を 26 年度に打ち出す。また、病床機能の区分ごとに必要病床数の推計も行う。 都道府県への報告を新たに求める医療機関機能は、地域ごとに整備する▽高齢者救急・地域急性期機能▽在宅医療等連携機能▽急性期拠点機能▽専門等機能−の 4 つ(いずれも名称は案)と、広域の観点で整備する「医育および広域診療機能」。厚労省は、医療機関が地域ごとの 4 つの機能を複数報告することもあり得るとしている。医療法改正を含めて整備し、できるだけ早期の報告開始を目指す。 「高齢者救急・地域急性期機能」は、高齢者らの救急搬送を受け入れ、リハビリテーション・退院調整などを入院早期から行い、早期の退院につなげる。また地域の施設などと連携し、通所や訪問などでの退院後のリハビリを確保する。厚労省は当初、「高齢者救急等機能」を提案したが、分かりにくさを指摘する意見が相次ぎ、修正した。ただ、“4 プラス 1”の枠組みは維持した。 「急性期拠点機能」の報告には、医療の地域シェアなどの「一定の水準」を設定し、手術や救急など医療資源を多く使う症例は集約する。都道府県は、患者のアクセスや構想区域の規模に配慮して、どの程度の数を確保するか構想区域ごとに設定する。「高齢者救急・地域急性期機能」や「在宅医療等連携機能」を報告する医療機関の「一定の幅」も地域の実情に応じて設定し、報告が実態に合わない場合は都道府県が医療機関に報告の見直しを求められるようにする。 医療機関機能に着目した連携・再編・集約化の協議は地域ごとに 28 年度までに進める。一定の水準などの詳しい設定方法は法改正後に議論し、ガイドラインに盛り込む。 |
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2024年12月号-1 |
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無床診療所 26%増、有床は 65%減 |
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厚労省 |
厚生労働省の 2023 年医療施設調査の概況によると、一般診療所の 2023 年 10 月 1 日現在の施設数は 10 万 4,894 施設(前年比 0.3%減)で、02 年から 21 年間で 10.6%増えた。10 万 4,894施設の内訳は無床診療所が 9 万 9,253 施設、有床診療所が 5,641 施設。02 年比で無床は 26.2%増えたが、有床は 65.1%減った。一般診療所は、1980 年代ごろから増加傾向だったが、2020 年には前年から 4 施設減った。その後、いったん増加に転じたものの、23 年は 3 年ぶりに減少した。 23 年には全体の 14.0%に当たる 1 万 4,725 施設(20 年の調査から 1.5%増)が在宅療養支援診療所の届け出を行い、うち 91.0%が無床診療所だった。 診療科別(重複あり)では、一般診療所全体の 61.7%に当たる 6 万 4,747 施設が 23 年に内科を標榜していた。 また、腎臓内科の診療所は 08 年の調査から 2.7 倍に増え、23 年は 2,399 施設だった。ほかは乳腺外科が 2.6 倍増の 952 施設、糖尿病内科(代謝内科)が 2.4 倍の 4,647 施設など。 美容外科は 2.1 倍の 2,016 施設で、特に 20 年に行った前回の調査から 43.6%増えた。 これに対し、気管食道外科の診療所は 08 年から 61.4%減り、23 年は 295 施設になった。放射線科は 44.9%減の 2,738 施設。産婦人科・産科・小児科はいずれも 2 割超減った。 |
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