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2025年12月号-2 |
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業務効率化の努力義務を医療法に規定へ 厚労省 |
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| 医療部会 |
厚生労働省は8 日、医療DX を推進するため、医療機関の責務として業務の効率化に取り組む努力義務を医療法で明確化する方針を社会保障審議会の医療部会に示した。 病院や診療所の管理者は医療法上、医療従事者の勤務環境の改善や確保に取り組む措置を講じる努力義務が規定されている。厚労省は、それに加えて業務効率化にも取り組むよう努めることを明確化する。 医療機関の業務効率化や職場環境改善の推進策の一環で、健保法上の保険医療機関の責務としても業務効率化・勤務環境改善に取り組む努力義務を明確化する。 厚労省は、医療現場の業務のDX 化を推進するため、業務効率化や職場環境改善に計画的に取り組む病院を公的に認定し、対外的に発信できる仕組みを地域医療介護総合確保法に創設する方針。 それらの積極的な取り組みが医療従事者の職場定着にプラスになり、人材を確保する上で有利になるようにするのが狙い。ICT や生成AI を使った計画を医療機関が提出し、国が審査・認定する枠組みを想定している。政府は、関連法の改正案の早期提出を目指す。 8 日の医療部会で厚労省案への反対意見はなく、大筋で了承された。ただ、岡俊明委員(日本病院会副会長)は、公的認定を受けられない医療機関の人材確保が一層困難になり、地域医療の体制を維持できなくなる可能性を指摘し、慎重な対応を求めた。 |
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2025年12月号-1 |
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診療報酬で賃上げ支援、議論開始 |
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| 中医協 |
中央社会保険医療協議会は5 日、医療従事者の賃上げに対する診療報酬での支援の議論を始めた。医療機関ごとの実績に応じた精緻な評価を目指すほど現場の事務負担が大きくなることが避けられず、評価方法を検討する。 政府は、2026 年度の診療報酬改定で医療従事者の確保を促すため賃上げや処遇改善への支援を重視する方針で、具体化を急ぐ。厚生労働省は、幅広い医療機関の賃上げを診療報酬で後押ししたい考え。 ただ、24 年度に新設されたベースアップ評価料は届け出手続きの煩雑さが指摘され、特に100 床未満の小規模な病院からの届け出が進んでいない。そのため、手続きをシンプルに見直すことも検討する。 診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、この日の総会で「賃上げに必要な評価は本来、初診料や再診料、入院基本料といった基本診療料を中心に上乗せする必要がある」と改めて主張した。 これに対して厚労省は、ベースアップ評価料や22 年度に新設された看護職員処遇改善評価料の評価を基本診療料に溶け込ませて一律の評価にすると、医療機関の事務負担は軽減されるものの、従来の評価料を届け出ていた医療機関への報酬は減り、届け出ていなかった医療機関の報酬が増えることを指摘した。 中医協の分科会の議論では、事務負担を軽減するために看護職員処遇改善評価料とベースアップ評価料を統合するべきだという意見もあり、そうした対応も視野に引き続き総会で議論する。 |
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