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2011年07月号-2 |
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福祉医療機構の貸付事業、審査額が大幅増 |
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〜医療 1.7 倍、福祉 2.3 倍に |
医療機関や介護老人保健施設(老健)が福祉医療機構に融資を要請し、同機構で昨年度に審査した金額は、「医療貸付事業」が2097 億円、「福祉貸付事業」が2595億円だったことが 7 月 26 日、明らかになった。前年度に比べ、医療貸付事業は約1.7 倍に、福祉貸付事業は約 2.3 倍に大きく伸びた。厚生労働省の独立行政法人評価委員会医療・福祉部会に同機構が報告した。 同機構は、「東日本大震災の影響が表れるのは今年度以降」とした上で、「医療機関の耐震化整備に対する融資率を引き上げるなど、利用者のニーズに迅速に対応した結果」と分析。昨年度の業務評価の自己評定を、両事業とも最高評価の「S」とした。 同機構によると、審査額と融資を決めた額はほぼ同じだが、融資までにはタイムラグがあり、昨年度中に融資していない例もあるという。 医療貸付事業の審査額を施設別に見ると、病院が 1706 億円、診療所が 41 億円、老健が341 億円など。福祉貸付事業の審査額は、特別養護老人ホームなどの老人福祉関係施設が2089 億円、児童福祉関係施設が 373 億円、障害者福祉関係施設が104億円などだった。 |
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2011年07月号-1 |
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在宅医療体制指針、別枠で都道府県に通知も |
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〜厚労省・医療計画検討会 |
厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉大大学院教授)は7月13日に会合を開き、「在宅医療」をテーマに意見交換した。委員からは、各都道府県が策定する医療計画に記載する事業に加えるべきなど、在宅医療を重要視する声が相次いだ。会合終了後、同省の担当者は記者団に対し、在宅医療の提供体制構築に関する指針をほかの事業とは分けて策定し、各都道府県に通知する考えを示した。今後、同検討会で協議していく方針。 医療計画は、同省の指針を基に5年ごとに各都道府県が策定。2013年度が見直しの時期に当たっている。06年の医療法改正後には、4疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)・5事業(救急、災害、へき地、周産期、小児)を担う医療機関名を記載することになった。13年度の見直しでは、6日の社会保障審議会医療部会での合意を受け、精神疾患を4疾病に加える見通し。 一方、同省は08年度の前回の見直し時期に合わせて、「居宅等における医療についての地域の医療提供体制の確保状況、患者急変時の支援体制を明示すること」などと、医療計画全体の策定指針を各都道府県に通知したが、在宅医療個別の医療提供体制の指針は示されなかった。13年度の見直しでは、ほかの疾病や事業とは別に指針を策定し、通知する考え。 同省は、在宅医療の提供体制指針の策定に当たり、国立長寿医療研究センターが中心になって取りまとめた「在宅医療体制構築に係る指針案」を参考にする方針。 同指針案は、▽24時間365日、患者の生活の視点に立った多職種連携医療の確保▽看取りまで行える医療のための連携体制▽認知症の在宅医療の推進▽介護との連携―などの観点から、各都道府県が地域の実情に合わせて計画を策定すべきだとしている。 意見交換で神野正博委員(全日本病院協会副会長)は、「今後、在宅医療が重要になってくるのは明らか。在宅医療を5事業に加えて、全県が事業としてやらなければいけない」と主張。同省の担当者は「医療法を改正しないと、在宅医療を事業にはできないが、現時点で5事業に並ぶものになっている」と述べた。これに対し、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、「(5事業に並ぶものならば)もっとはっきりと位置付けるべきだ」と強調した。 また、吉田茂昭委員(青森県立中央病院長)は、「ある程度のモデルケースを設定し、それを中心に(医療計画策定を)進めていくべき」との考えを示した。 |
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