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2021年12月号-2 |
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かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の要件を議論 |
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中医協総会 |
12月10日の中医協総会では、歯科医療の改定項目をテーマとして議論した。厚生労働省は論点として、▽かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所に係る施設基準の要件、▽施設基準の選択要件にある「自治体等が実施する事業に協力」の明確化、▽歯科診療特別対応連携加算の要件、▽HIV感染に関連した口腔内の症状で医科医療機関と連携した場合の評価、▽訪問歯科衛生指導におけるDentist to P with DH(Dental Hygienist)の評価、▽歯科医師や職員を対象とした感染症の研修――の6点を挙げた。 かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準について、林正純委員(日本歯科医師会常務理事)は「重症化予防のために、かかりつけ歯科診療所を地域で拡大すべきだ」と主張した。一方、松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「施設基準の要件緩和には反対したい」と反論した。 施設基準の選択要件にある「自治体等が実施する事業に協力」の明確化には、林委員が「これまでも自治体の事業に協力してきたことが評価されると考えている。明確化することに異論はない」と事務局提案に同意。支払側も松本委員が「明確化に異論はない」と同意した。
●支払側、感染対策を理由とした研修の評価に反対
歯科診療特別対応連携加算の要件、およびHIV感染に関連した口腔内の症状で医科医療機関と連携した場合の評価について、林委員はいずれも「連携は重要なので評価する方向に異論はない」と同意。松本委員も「連携を認めることに異論はない」と同意した。 ICT活用推進の観点から提案された訪問歯科衛生指導におけるDentist to P with DHの評価には、林委員が「感染症対策で早期の導入が必要なので、推進に向けて前向きに検討してほしい」と要望。松本委員も「ICT活用を推進する方向でよい」と提案に賛同した。 歯科医師や職員を対象とした感染症の研修には、林委員が「見える形でしっかりと評価してほしい」と要望した。これに対し安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は反論。「院内感染対策は医療機関の責務であり、研修や教育の充実で対応すべきものだ。感染対策のみを理由に診療料を引き上げるのではなく、診療料全体のあり方の中で考えるべきだ」と異議を提示した。 |
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2021年12月号-1 |
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22年度改定の基本方針、次回取りまとめへ |
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社保審医療保険部会 |
厚生労働省は12月1日、社会保障審議会医療保険部会(部会長=田辺国昭・国立社会保障・人口問題研究所所長)の会合を開き、▽2022年度診療報酬改定の基本方針、▽薬剤給付の適正化に向けた取り組み、▽21年度補正予算案(保険局関係)の主な事項、▽オンライン資格確認等システム――などについて議論した。 22年度診療報酬改定の基本方針の骨子案では、改定の基本的視点を、@新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築、A安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進、B患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現、C効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上――の4つとし、@とAを重点課題と位置付けている。 藤井隆太委員(日本商工会議所社会保障専門委員会委員)は、かかりつけ医の機能と評価について、「地域の包括的な医療の担い手として、かかりつけ医が患者の健康に関するアドバイスや予防医療提供の役割を果たすよう期待する。かかりつけ医がセルフメディケーション機能を後押しすることへの評価の方向性で議論していただきたい」と述べた。佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)も、基本方針の書きぶりについて、「かかりつけ医機能の評価については、患者目線で見て、納得感のある評価とすることが重要であり、『患者のニーズを踏まえた、かかりつけ医を評価』と文言修正していただきたい」と要望した。安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、「これまで、かかりつけ医の定義やあり方については十分な議論や整理がなされていない」と前置きし、今後の議論の進め方について、「地域医療におけるかかりつけ医のあり方の整理状況を踏まえて評価の方向性を検討すべきではないか」と述べた。 これに対し松原謙二委員(日本医師会副会長)は、「コロナ禍において、かかりつけ医の制度化を求める声があるが、そうした考え方はいかがなものか」と懸念を示し、「かかりつけ医機能にはさまざまなものがあり、これを持っているからかかりつけ医だというものではない。日頃の診療や検診結果などを踏まえて、患者と医師との信頼関係を構築すること、そして、それができるような体制とすることを考えるべきだ」と主張。「がちがちの制度にするのではなく、1人でも多くの国民にかかりつけ医を持ってもらうのが本来の筋だ」との認識を示した。 基本方針の骨子案自体に対しては特段の異論は出されず、概ね了承した。
●カードリーダー運用施設は7.6%
この日厚労省は、オンライン資格確認等システムの導入状況について報告した。 10月20日に本格運用が始まったが、運用開始1カ月となる11月21日時点で、顔認証付きカードリーダーの運用開始施設数が1万7394施設(7.6%)、申込数は12万9410施設(56.5%)、準備完了施設数は2万5967施設(11.3%)となった。施設別の運用開始状況は、最も導入が進む病院で1406施設(17.1%)、薬局では6992施設(11.5%)、歯科診療所4160施設(5.9%)、医科診療所4836施設(5.4%)。また、10月20日から11月16日までの4週間で、オンライン資格確認等システムを活用したマイナンバーカードによる資格確認が約12万件、保険証による資格確認が約1100万件、一括照会による資格確認が約330万件だった。 |
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