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2026年09月号-2
物価高騰対策 介護報酬「1 年ごとに上乗せを」
介護給付費分科会
 社会保障審議会・介護給付費分科会が14 日開かれ、日本医療法人協会(医法協)は物価高騰や賃上げへの対策として1 年ごとに上乗せする仕組みを2027 年度の介護報酬改定で導入するよう要望した。26 年度の診療報酬改定と同様に、基本報酬などの見直しとは「別立て」で対応するよう求めている。
 医法協は、かつてない厳しい経営環境にある中、介護施設などが物価高騰や賃上げ、建物の老朽化に伴う大規模改修の負担に対応できる水準まで基本報酬を大幅に引き上げる必要性も強調。また、現行は3 年に一度とされている介護報酬改定のタイミングを2 年ごとにするなど、物価の変動に機動的に対応できる仕組みの検討も求めた。
 26 年度の診療報酬改定では、入院時食事療養費の特別食加算の対象に「嚥下調整食」が加わった。しかし、介護老人福祉施設などで嚥下調整食を提供した場合の評価はない。そのため医法協は、安全な食形態で適切な栄養量の嚥下調整食を介護施設が提供する場合、特別な材料費や調理の工夫への評価なども求めている。
 この日の分科会では、27 年度の介護報酬改定に向けて施設・居住系サービスをテーマに関係団体と意見交換会を行った。今回、意見陳述したのは、医法協や日本精神科病院協会(日精協)、日本認知症グループホーム協会など計13 団体。
 日精協は、介護職員の給与が全産業の平均と比べて月8.2 万円低く、近年ほとんど差が縮まっていないことから、他産業との差に見合う水準まで基本報酬を段階的に引き上げるよう求めた。また、水道光熱費や物品費・修繕費などの一般管理費が22 年度に全施設で上昇し、特に水道光熱費は7 割の施設で2 割以上増えているとし、一般管理費などを基本報酬に組み込む構造への転換も要望。最低賃金と同様に、物価上昇に応じて基本報酬を毎年見直す仕組みの導入も求めた。
 在宅からの緊急入所のみが算定対象とされている「認知症行動・心理症状緊急対応加算」については、精神科病院を退院した後、施設に入所したケースも算定対象とするとともに、BPSD(認知症の行動・心理症状)が安定するのに必要な1 カ月程度まで算定期間を延長する必要性も訴えた。

2026年09月号-1
建て替え支援「築40 年以上」など要件
厚労省
 厚生労働省は8 月31 日、2027 年度予算の概算要求を財務省に提出した。一般会計の総額は36 兆5,803 億円で、過去最大だった前年度の当初予算を1 兆5,370 億円上回った。老朽化した医療機関の建て替えや改修を支援する「施設・設備整備支援事業」の経費は事項要求した。
 厚労省は、「築40 年以上」などに該当する医療機関の建て替えや改修の費用を10−20%補助することを想定している。
 27 年度の一般会計のうち「年金・医療等」の要求額は33 兆6,872 億円で、前年度予算比3,397 億円の増。政府全体での社会保障費の自然増は要求段階で3,900 億円程度を見込んでいて、年末の予算編成過程で高齢化に伴う伸びに圧縮した上で「経済・物価動向等」を踏まえた対応分を加算することになっている。
 27 年度には、薬価の中間年改定のほか介護報酬や障害福祉報酬の改定が行われる見通しで、物価対応などの財源確保が予算編成の焦点になる。
 厚労省は27 年度予算の概算要求で▽成長戦略に盛り込まれた17 の戦略分野を中心とする官民連携の国内投資の徹底▽賃上げ環境の整備など分野横断的な課題への対応▽持続可能な社会保障制度の構築−を重点要求に位置付けた。成長戦略関連の施策で要求額に上限を設けない「強く豊かな日本」投資枠を活用し、一般会計の総額は36 兆5,803 億円を計上した。
 将来の医療需要を見据えた医療提供体制の整備に関する要求額の内訳は、地域医療構想の実現に向けた取り組みや勤務医の労働時間短縮などの推進に868 億円、次なる感染症危機に備えた体制強化に374 億円など。
 新たに立ち上げる「施設・設備整備支援事業」は、17 の戦略分野のうち「防災・国土強靱化」
のメニューで、病院と有床診療所を対象にする。地域に不可欠な施設・設備の計画的な整備を
後押しするため、建て替えや改修の費用の一部を補助する。築40 年以上のほか、政策医療や地域に不足している医療機能をカバーして地域医療構想調整会議の合意を得ることや、有床診療所は持ち分なし医療法人が運営していることなどを補助要件にする。
 支援事業の経費は概算要求の段階で金額を示さない事項要求にした。

●自治体検診DB 要件定義などに66 億円

 厚労省の健康・生活衛生局は、2027 年度予算の概算要求に「自治体検診DX 推進事業」を新たに実施するための経費として66 億円を計上した。それを活用し、自治体検診に関する事務のデジタル化に向けた先行実証を行うとともに、自治体検診情報データベース(DB)を構築するための業務要件やシステム要件の定義などを行う。
 医療DX を推進するためで、経済成長のための「強く豊かな日本」投資枠を活用して要求した。
 政府が23 年6 月に決定した医療DX 推進に関する工程表では、自治体が実施する検診の情報について医療機関や薬局などと自治体の間で共有できるようにするとした。それを実現させるため、厚労省は自治体検診情報データベースの構築を目指す。
 このほか健康・生活衛生局の新規事業は、がん検診の受診率向上を推進する事業(要求額1.3億円)や、重喫煙者を対象にした低線量CT による肺がん検診の実証事業(1.2 億円)のほか、アレルギー疾患など最新の医療情報アップデート事業(3,000 万円)など。
 厚労省は27 年度予算の概算要求で、従来からの事業として▽難病や小児慢性特定疾病の対策で1,860 億円(26 年度当初予算比149 億円増)▽がん対策には464 億円(123 億円増)▽健康増進対策で161 億円(98 億円増)▽移植医療対策で60 億円(21 億円増)−などを計上した。

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